心の整理②

ICHIGO

2009年04月17日 22:42

『たったひとりでもいいから、自分の思っていることを率直に話せる相手がいてくれたらどんなにありがたいことだろう』
ナイチンゲールの言葉だそうです。

今の私には心から共感する言葉でした

ガンが発覚し、まず最初に始まった治療は右太ももの手術でした。
右太ももの骨があまりにも脆くなっていて、いつ折れてもおかしくない状態にまでガンに侵されていました。
なので、足の骨の中にチタンの棒?で支えるための手術でした。
今の医療というものは本当にすごいなぁと感心しましたが、少しの傷口からチタンを入れていくので、傷口はそんなにひどいものではありませんでした。

手術も無事に終わり、モルヒネなどの痛み止めで痛みを抑えていたものの痛そうでした。
しかし、病院に来る前の痛みに比べたら大したことないけど、と母は笑って言いました。
そんなに我慢せんでよ…心の中であきれました。

約一ヶ月ほど入院し、その後の抗がん剤治療は自宅からの通院で行われました。
大学病院などはあまり長く入院させてくれることがないので、そういう意味では不便というか母自身にも負担が多かったです。

幸いというべきか、多少のむかつきがあったものの母は通常の抗がん剤に伴うと思われる副作用は、そんなにひどくありませんでした。

しかし…やはり髪の毛が抜け落ちていくのは避けられませんでした。
女性ならそうなって仕方がないのですが、母は家族にさえ抜け落ちていく頭を見せることを嫌がりました。

「自分で見てもこんなにショックなのに、あんたとか見たら涙が出るよ…こんな姿、誰にも見せれん…」

元々前向きな強いオーラに包まれたような母なので治療にも前向きでしたが、髪の毛の件だけは落ち込んでしまいました。

寝るときも頭にバンダナを巻いて寝る生活、家族なんだからいいのに…とは思いましたが、本人の思いは違ったようです。

そんな生活が長く続いたある朝、一番最後に起きてきた母は、気が抜けていたのでしょう…
冷蔵庫の飲み物を取っていた後ろ姿を見たら、何とバンダナが内側に巻き込まれ、あんなに隠していた後頭部が丸見えでした。

その光景を見て、あんなに気にしていたのにそんなバレ方をしてしまった事が滑稽で、笑い出したい衝動を必死に抑えました。

すると…父が一言、「おい、ハゲが見えてるぞ」普通の顔して言ってしまいました。

「うそっ!!見えた」とかなり恥ずかしそうにしながら、母も笑いました。

私もついにこらえられず笑い出してしまいました。

そんな風に笑い飛ばせてる時期もあったなぁと思い出しました


文字ばかりも何なので以前撮った阿蘇山の朝焼けです

朝日は希望を感じるので大好きです